動物看護師の仕事3

こんにちは。動物看護師の石井です。                                                                   だんだんと寒さが本格的になってきましたが、みなさんいかがおすごしでしょうか。 早いもので今年も残すところ1か月となりました。 冬支度やクリスマス、新年を迎える準備など、忙しくなってきますね。                                                        そのような中でも忘れてはいけない、今年中にやっておきたいことの一つが大掃除ではないでしょうか。

今回は私たちスタッフが日頃行っている院内の掃除の一部を紹介します。 当院の床をよくご覧になってみてください。病院でよくみられるつるつるした床ではなく、でこぼこしています。整形疾患や高齢で来院されるワンちゃんが多い当院の床は、そういった子たちが足を滑らせたりしないように配慮したものとなっています。

毎日午前・午後の診察終了後にすみずみまで掃除機、モップをかけていますが、少しずつ汚れが溝にたまってしまいます。 そこで定期的に普段とは別の方法で床掃除を行っています。 まず、バケツに水と洗剤を適量入れてタワシを浸します。そのタワシで床を磨いていきます。しつこい汚れはなかなか落ちにくいので何度も何度もこすります。最後にタオルでしっかり汚れや泡を拭き取っていきます。 この作業を、待合室から受付、診察室、処置室、入院室まで全フロア行います。 結構な重労働で時間も手間もかかります。そのため手術の入っていない日の午前の診察終了後から午後の診察開始までの時間を利用して行うことがほとんどです。 入社したての頃はこれを行うたびに翌日筋肉痛になっていましたが、もうすっかり慣れました。大変な作業ですが、キレイになった床をみるととてもすっきりします。

病院に限らず、やはり清潔さというのはどこでも重要視されますよね。 動物病院には室内飼い・外飼い・お散歩帰りの子・よだれを垂らしてしまう子や排泄・嘔吐してしまう子など、様々な子たちが来院するため汚れることもしばしばあります。 しかしそれを言い訳にせず、常に清潔で皆さんが気持ちよくいられる空間をつくっていきたいと思っています。

外耳炎について

こんにちは。動物看護師の藤島です。                                                                                     肌寒い季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?寒がりな私は厚めの上着が手放せなくなってきました。                                      このところ、体調を崩されているお話をよく聞くので温かくしてお過ごしください。

今回は、外耳炎についてお話します。                                                                                     耳のトラブルでよく耳にすることも多いと思いますので、知識の一つとして知っていただけたら嬉しいです。

外耳炎とは、外耳道の表面に何らかの異常が起こる炎症性疾患です。                                                                 軽いものから手術が必要となる重度のものまで様々です。                                                                        外耳炎を引き起こす要因としては、細菌や真菌感染、耳ダニの寄生の他、耳道内にできものができることなどが挙げられます。また全身性の問題としては、アレルギーや角化異常、ホルモン異常、自己免疫疾患などが関与していることもあります。

治療は、原因により点耳薬のみで治療できるものから飲み薬が必要になることもあります。また、慢性化して耳道が狭くなりすぎたり閉塞してしまったりした場合は手術が必要となります。

外耳炎を予防するためには耳をキレイに清潔に保ってあげることが大切です。ここで注意していただくポイントは、擦り過ぎないことです。綿棒などでしつこく擦ると、その刺激で耳が赤くなってしまうこともあります。                                                                              クリーナーとコットンなどを用いて、やさしく拭き取ってあげてください。毎日お掃除する必要はありません。

皆様のお家のわんちゃんねこちゃんは耳を気にしている様子はありませんか?                                                         言葉を離せない動物たちが示すサインに気が付いてもらえるとうれしいです。                                                           後ろ足で耳を掻く、何度も頭を振る、耳を床に擦りつける、耳から汚れが出てくる、耳が臭う等、このような様子が見受けられる時には一度診察にいらしてください。               また、予防のためにも定期的な耳のチェックをしてあげてください。

  

動物看護師の仕事2

こんにちは。動物看護師の石井です。                                                                                 暑かった夏も終わり、すっかり秋めいてお散歩も気持ちいい季節となりましたね。

前回は動物看護師の重要な仕事である保定についてお話いましたが、今回はよく質問される入院管理についてお話します。                                      

動物も病状によっては入院が必要となる場合があります。入院期間は様々ですが、日帰りや1泊2日から何週間と長期になることもあります。大切な家族を預けるとなると、気になる点がたくさんあるかと思います。

お部屋の広さはネコちゃん、小型~大型犬、それぞれの大きさに合わせてご用意しています。お部屋には必ずタオルを敷きます。子犬や子猫、寝たきりの子には毛布を敷いてふわふわにしたり、体温の低い子にはホットカーペットや湯たんぽを使います。

ご飯は基本的に朝夕の2回に分けています。市販のものから病状によっては獣医師の指示に従い療法食を与えます。すぐ食べてくれる子もいれば、なかなか食べない子もいます。食べない理由は様々で、具合が悪い、緊張している、普段から決まったものしか食べない、おいしくない等。そんな時には少しだけウエットフードを混ぜたり、手からあげてみたり、ふやかしてみたり、飼い主様に普段あげているものを持参していただいたりとできる限りの工夫をします。                                                                                入院中はエリザベスカラーを着用する子がほとんどです。これは傷口や点滴をいじらないようにするためです。カラーをするとご飯が上手く食べられないんじゃないかと疑問に思う方も多いでしょうが、食器を高くして食べやすくしているので最初は戸惑い気味の子もすぐに慣れてくれます。

トイレはお部屋の中でする子はタオルの上にペットシーツを敷きます。排泄をしたらその都度取り替えます。たまに、「この子お外じゃないとオシッコしないんです」という方がいますが、意外と環境が変わるとお部屋の中でする子もいて、飼い主様に報告すると驚かれる方もいらっつしゃいます。 お部屋でしない子は外にある運動場に出します。また、お部屋でする子も1日数回は気分転換に運動場でのんびりしてもらいます。ネコちゃんにはペットシーツの他に砂も用意しています。

それぞれのお部屋のドアには入院カードが貼ってあります。名前、ご飯の種類、与えるお薬、点滴の流量、毎食ごとの食べた量、排泄回数を記入します。細かく観察し記入することで、その子の状態を常に把握できます。少しでも変化があればすぐに獣医師に報告しています。

面会は基本的に診療時間内であればいつでもできますが、絶対安静が必要な場合や飼い主様がいらした時または帰った後などに騒いでしまう場合はできないこともあります。

私たち動物看護師は朝出勤すると、まず入院の子たちのお世話から仕事をはじめます。お部屋の中をキレイにし、オシッコ・ウンチの有無、色や形は普通か、昨日と比べて元気・食欲はどうかチェックします。排泄物などで体が汚れてしまったらシャンプーをしてきれいにします。診療がはじまってもちょくちょく入院室をのぞき、何か変化はないか常にチェックしています。退社前も最後に見回り大丈夫か確認して仕事を終えます。

皆さんの大切な家族、責任と愛情を持ってお預かりいたしますのでどうぞご安心ください。

動物看護師の仕事

こんにちは。動物看護師の石井です。                                                                           本格的な夏を迎えましたね。お出かけのご予定を立てられている方も多いのではないでしょうか?

さて、この看護師ブログが始まって1年が経ちました。これまで、病気や健康についてお伝えしてきましたが、今回は少し視点をかえて、私たち動物看護師の仕事についてお話しようと思います。

職業を聞かれて「動物看護師です」と答えると、「動物看護師って何?」と言われることが多々あります。小さいころから親と一緒に愛犬を動物病院に連れて行っていた私にとっては身近な職業でしたが、世間一般ではあまり知られていないようです。

獣医師は診察して、治療して、手術して、病気を治すというイメージが皆さんすぐ浮かぶかと思います。

では、動物看護師は一体何をしているのでしょう。                                                                    私たちの仕事は獣医師の行う医療行為以外のすべてです。                                                              受付、会計、調剤補助、電話対応、診察補助、血液・尿・便等各検査、入院動物の管理、手術助手、在庫管理、清掃等多岐にわたります。

その中でも特に重要とされているのが保定です。                                                                  保定とは、診察・検査・治療を行うために動物の動きを一時的に制限することです。                                             採血や耳掃除、レントゲンや超音波検査、注射等、何をするにも動物が動いてしまうとスムーズに行えません。しかし、動物たちは言葉が通じないので、嫌なことをされれば当然抵抗します。そんな時、保定が必要となります。もしかすると、痛がるわが子を力ずくで押さえ込まれて可哀そうと感じる飼い主様もいらっしゃるかと思いますが、ただギューっと力任せに押さえているのではありません。その子の骨格や性格を考えて、なるべく最小限の力で不安や苦痛を与えないよう行っています。                                                                       保定中は必要に応じて声かけも行います。                                                                      ○○ちゃ~んと名前を呼んだり、いい子だね~、大丈夫だよ~と声をかけてあげたほうが緊張がほぐれ落ち着いてくれる子も多いです。ただ、逆に声かけすることで余計興奮して暴れてしまう子もいるので見極めが必要です。                                                    また、怖がって唸っていたり、咬みつきそうな様子の子にはスタッフの怪我防止のためエリザベスカラー等を装着させていただく場合があります。こちらも、動物たちが苦しくないよう配慮していますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。

保定ってとても奥が深いんです。私もまだまだ苦手意識が強くなかなか上手くできないこともあります。動物に「頑張ってね~」という前に、自分がもっと頑張らなきゃと思う毎日です。

今回のテーマはいかがだったでしょうか。ほんの少しでも私たちのソごとについて知っていただけたら嬉しいです。

お薬の飲ませ方

こんにちは。動物看護士の藤島です。                                                                       最近は、暑い日もあれば急にどしゃぶりの雨や雷で天候が読めなくて大変ですね。

さて、今シーズンのフィラリア予防の投薬が始まっています。                                                         フィラリアのお薬は美味しいおやつタイプなので嫌がる子は少ないと思いますが、ヒトと同じようにわんちゃんねこちゃんも病気や健康診断で異常が見つかったりすると、お薬を飲まなくてはいけない機会が出てきます。 皆様のお家のわんちゃんねこちゃんはお薬を上手に飲めますか?                                                     今日は普段から質問の多いお薬の飲ませ方についてお話いたしと思います。

飼い主様から、飲ませ始めた頃は上手に飲んでくれていたのに、ある時からお薬だけをペッと出してしまったり、大好きなご飯でさえも警戒するようになったり、家族の薬担当の人に寄ってこなくなってしまったなど困っているお話をよく耳にします。

薬の形状は錠剤・粉・カプセル・シロップなどがあります。                                                           一番確実に投薬できる方法は直接法です。これは、上あごと下あごを持って口を開きのどの奥にお薬を落とすので、飲んだかどうかの確認がしやすいと思います。飲ませる際に、嫌がったり暴れたりする場合は二人で行うとよいでしょう。                                         食いしん坊な子はご飯に混ぜる方法が一番与えやすいと思います。この場合は、ご飯全体にお薬を混ぜるのではなく、お薬を飲ませるだけの量を別にして混ぜたり、ドライフードをふやかしてお団子状にしそこに混ぜて与えることがポイントです。                                    シロップは、お薬と一緒に投薬器を入れていますので、指示された量を測って口の際から舐めさせるように与えてください。口の中にお薬が残っていると、ヨダレやあわがぶくぶく出てくる場合もありますので、投薬後にお水を飲ませてあげるとよいでしょう。

飲ませる薬の種類によって、形状や飲ませる期間が変わったり、食前・ご飯と一緒・空腹時など与える時間が指定されている場合もありますので、飼い主様も大変かと思いますが、なるべく苦痛を与えないような方法を一緒に見つけていきましょう。飲ませ方がわからない場合は、お気軽にご相談ください。