予防について

VACCINATION

世界基準の新しいワクチンプログラム

VACCINE PROGRAM

当院では、動物にやさしい獣医療の提供と科学的根拠に基づいたワクチン接種を目的として、WSAVA(世界小動物獣医師会)が推奨するガイドラインに基づいたワクチンプログラムを実施しております。
ワンちゃんやネコちゃんの健康を守るためには、年間のワクチン接種と定期的な健康診断が欠かせません。ワクチン接種を怠ることで、深刻な伝染病に感染するリスクが高まります。命に関わる病気も存在するため、ペットのためにも予防を徹底しましょう。定期的な健康診断では、早期発見と早期治療が可能となります。獣医師との相談を通じて、ワンちゃんやネコちゃんの健康をしっかりと守りましょう。

混合ワクチン接種

ワンちゃんやネコちゃんの混合ワクチン接種は、伝染病の予防に役立つ重要な手段です。これにより、ペットだけでなく人間にも感染する可能性のある病気から守ることができます。特効薬がない伝染病に対しては、定期的な年次ワクチン接種が必要です。ペットの健康を守るためにも、定期的なワクチン接種をお忘れなく行いましょう。

ワンちゃんの混合ワクチン

ワクチン成分 5種 10種
犬ジステンパーウイルス感染症
犬パルボウイルス感染症
犬アデノウイルス1型感染症
犬アデノウイルス2型感染症
犬パラインフルエンザ感染症
犬レプトスピラ感染症 (複数の型)
犬コロナウイルス感染症

ネコちゃんの混合ワクチン

ワクチン成分 3種 5種
猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症
猫白血病ウイルス感染症
猫クラミジア感染症

混合ワクチンを受けられる前のご注意点

  1. 予防注射を受けられる前に、一般状態(体温・食欲・便の状態・嘔吐の有無など)が良好であることを確認の上ワクチンの接種をお受けください。
  2. ワクチン接種予定日でも、少しでも状態が悪いと確認されたら接種日の延期をお願いします。

混合ワクチンを受けられた後のご注意点

  1. アレルギー症状は、ワクチン接種直後から15分ぐらいに発症することが多く、最長でも 24時間以内に発症します。もし発症したら、直ちに病院にご連絡ください。
  2. 症状によっては、そのまま放置することによって改善することも多いです。
  3. ワクチン接種後、2~3日はシャンプーを控えてください。
  4. 初年度の予防接種の場合は、生後2ヶ月以上で接種し4週間後に再度接種をしてください。
  5. 接種後は2週間以上たってから、犬の美容室および散歩などに行ってください。

フィラリア予防

蚊が媒介するフィラリア感染症は、寄生虫によって引き起こされます。蚊に刺されることで感染し、心臓や肺動脈に寄生します。咳や疲れやすさなどの症状が現れます。
重症化するとフィラリアが心臓に詰まる恐ろしい病気ですが、予防は確実にできます。蚊の活動が活発な季節には、お薬による予防をおすすめします。フィラリア予防をしっかり行って、安心して過ごしましょう。

内服でのフィラリア予防

  1. 毎月1回投薬します。
  2. 錠剤、チュアブルタイプの2種類から選んでください。
  3. 当院の錠剤は、フィラリア単体の駆虫薬やフィラリアとお腹の寄生虫も同時に予防できるタイプ、ノミ・ダニ・フィラリアも予防できるオールインワンタイプの3タイプを用意しております。

ノミ・マダニ予防

ノミやマダニは、身近な場所での寄生の危険性が高いため、怖い存在です。例えば、草むらでワンちゃんがクンクンする様子はよく見られますが、そこにはマダニが潜んでいる可能性もあります。最近の研究で、マダニは短い距離ながら静電気によって空中を移動できることが分かったようです。つまり静電気を利用して空中を飛び動物や人に襲い掛かるのです。

ノミ

ノミは犬や猫の体に寄生する最もポピュラーな寄生虫です。
かゆみをもたらしアレルギー皮膚炎の原因となります。
血を吸われることで貧血を引き起こしたり、犬や猫が運んだノミが人にも危害を加えます。

マダニ

ウイルスを持つマダニに噛まれることで発症するSFTSという感染症があります。人に感染してしまうと発熱や倦怠感といった初期症状が出たのち、最悪の場合死亡してしまうケースもあります。また、犬猫に限らず、人の死亡率も非常に高い感染症です。
実際に茨城県内でも2025年の5月に感染し死亡した猫が確認され、2025年の6月には犬の感染も確認されました。確実に予防をする必要性が高まっています。
他にも、マダニの吸血によってもたらされるバベシア症という病気もあり、東日本にも広がってきています。赤血球の中にバベシアという原虫が寄生してしまい、貧血などの症状が出てしまいます。一度かかると完全に駆除することは難しいため、予防が大切になります。

ノミ・マダニの予防薬

ノミ、マダニの予防薬には様々な投薬方法のものがあります。
スポットタイプは首の辺りに液薬を数滴落とすだけの簡単な仕様です。
ワンちゃんにストレスを与えることなく投薬できることが人気で一番使用されています。
また、その他に飲み薬もあります。

狂犬病予防注射

狂犬病は、最も恐ろしい感染症の一つであり、動物から人への感染が可能です。人間の感染者はほぼ100%死亡すると言われ、さまざまなほ乳類に感染することが知られています。現在、日本では狂犬病の発生は報告されていませんが、近隣諸国では発生が頻繁にあり、感染のリスクは存在します。狂犬病を防ぐためには、予防接種率を高めることが重要です。また、万が一他の犬や人を噛んでしまった場合に、狂犬病予防接種の有無は争点となる重要な要素となります。安心して暮らすために、狂犬病予防接種をお忘れなく行いましょう。

生後90日を過ぎたら、狂犬病の予防注射を毎年一回受けさせることが
狂犬病予防法という法律で義務づけられています

当院では、初めて予防接種を受けたワンちゃんには市町村に犬鑑札と呼ばれる札を お渡しします。犬鑑札は一生涯変わらないので大切に保管してください。毎年の予防接種時には新たな注射済票をお渡しします。水戸市在住のワンちゃんには登録手続きから鑑札の発行まで行っています。